Facebook広告の効果測定にはABテストを活用します。ABテストを行い、その結果を正しく検証することでレスポンスの改善につながります。
ABテストを行えば優れた画像と優れた見出しの組み合わせ、つまり優れた広告が見つけられるようになります。優れた広告とは最も効果的な広告、最も稼いでくれる広告です。ABテストの結果から、要素を入れ替えて改善につなげたり、効果の薄い広告を排除し、効果の高い広告に予算を集中させられます。
この記事では、Facebook広告の効果測定に、ABテストを検証して広告効果を改善していく方法を説明します。
目次
Facebook広告の優劣は4つの指標で評価する
Facebook広告の優劣を評価する、基本指標は次の4つです。
- CPC(Cost Per Click)・・・クリック単価
- CTR(Click Through Rate)・・・クリック率
- CVR(Conversion Rate)・・・コンバージョン率(成約率)
- CPA(Cost per Acquisition)・・・コンバージョン単価(成約単価)
これらの指標を確実におさえておきましょう。
とくに、CPA(コンバージョン単価)は費用対効果を評価する重要な指標です。
かりにCPAが5,000円だとするとコンバージョン1件に5,000円をかけて収支がトントンです。CPAを把握することで1件のコンバージョンにいくらまでコストをかけられるか決まります。(3000円しか儲からないのに5000円の広告は出せませんよね?)
ABテストはCPAのパフォーマンスを高めるために行いますし、Facebook広告で収益を高めるコツはCPAの優れた広告に予算を集中させることです。それには「CTR」「CVR」「CPA」をチェックしながらCPAを高めていく必要があるのです。
Facebook広告でABテストを行う目的は3つ
冒頭でお伝えしたように、Facebook広告でABテストを行うのは最も効果的な広告を見つけるためですが、そのほかにも2つの目的があります。
- 最も効果的な広告を見つける(効果的な画像と見出しの組み合わせを見つける)
- ターゲットを最適化する
- コンバージョンを最適化する
実名登録を基本とするFacebookはターゲティング精度の高さが特徴ですが、「性別」や「年齢」といった要素を変えることで広告の精度を高められます。「主な顧客は男性と思っていたけど、じつは男性へのプレゼントとして購入する女性が多い」とか、「小さな子どもを持つ30代の親に訴求したら、反応するのは孫を喜ばせたい60代だった」ということは決してめずらしくありません。
またFacebook広告には「最適化配信」という、広告にコンバージョンしやすいターゲット層に向けて優先的に広告を配信する機能があります。最適化するには運用実績が必要ですが、効率良く「最適化配信」を行うためにも効果の高い広告を見つけて出してコンバージョンの実績を作っておくことが重要になってきます。
この記事では広告の優劣をつけることにフォーカスして説明しますが、Facebook広告の運用効果を高めるには「ターゲットの最適化」と「コンバージョンの最適化」も欠かせません。
ABテストを行う目的は3つ、と覚えておくようにしましょう。
ABテストの予算を明確にする
「少額でテストする」
そう知っていても、テスト予算をしっかりと設定している人は意外と少ないです。テストとはいえ、実際にコストをかけて広告を配信するわけです。まず最初にABテストの予算と目標を明確にしておきましょう。
ちなみに、予算や目標によってABテストの回数は異なります。効果の見極めに必要な配信回数や時間も変わってくるからです。
かりに、1つの広告配信につき、1日の予算を500円とします。画像ABと見出しabのマトリクスでテストを行うのであれば4つの広告を配信することになり、1日の合計予算は2,000円になります。
このABテストを1ヶ月間続ければ合計6万円です。
そのときにCPAを考えておく必要があります。先ほどもお伝えしましたが、1件成約して3,000円しか利益に出ない商品に5,000円の広告費はかけられないからです。
このように、テスト予算と目標を明確にしておくとFacebook広告の出稿準備から実際の運用まであらゆる場面で判断の目安となります。
効果的な画像と見出しを判断する方法
Facebook広告の成否を決めるのは画像と見出しです。広告を見た人の反応でしか、成否は判断できません。ですのでFacebook広告のABテストでは、実際に広告を配信しながら効果的な画像と見出しを見つけていくようになります。
まずは先ほどの4通りの広告を配信して「CPC」「CTR」「CVR」「CPA」の4つの指標を比較していきます。
これらの数値をマトリクスに書き込んでみましょう。
CPAの金額が最も安い広告が、画像と見出しの優れた広告と判断していきます。
圧倒的なCPAを獲得した組み合わせを探す
下のように画像と見出しの組み合わせで、計測された数値を書き込んでいきます。
この中からCPAの一番良い画像と見出しの組み合わせを探します。明らかに他の広告よりも抜きん出ていれば、そのまま「最適化配信」に使います。
この中では右下の広告Bb(画像B見出しb)が抜きん出て低いCPAを獲得しています。他のCPAよりも半分以下の数値であれば、「圧倒的なCPA」として扱います。
圧倒的なCPAがない場合
下のマトリクスのように、4つの広告を比較して「圧倒的なCPA」がないときは、もう少しABテストを続けてみましょう。
右下の広告のCPAが良さそうですが、もう少し様子をみたいところです。しばらくテストを続けて差が開くのか差が縮まるのか、この見極めも大切になってきます。
広告の配信数が少なかったり、高額な商品ほどコンバージョンが出づらい傾向があります。その場合、配信期間を長くしたり、配信数を増やすことで数値の変化を促しましょう。
コンバージョンが獲得できない場合
しばらくABテストを行った結果、すべての組み合わせでコンバージョンが獲得できなかった場合は、すべての画像と見出しを入れ替えて、もう一度テストします。
かりに、コンバージョンが獲得できたとしても、目標とするCPAを大きく上回ってしまったのであれば最初からやり直します。
見出しの効果はCVRに表れやすい
CPAは画像と見出しの組み合わせで決まりますが、見出しabの評価と改善にはCVRを参考にします。
過去の統計からも、見出しの良し悪しがCVRに影響することがわかっています。
マトリクスで見たとき、優れた見出しがある場合には右列か左列のどちらかにCVRが偏るケースが多くなります。
このマトリクスで見ると右列(見出しb)のほうが明らかにCVRが高いので、見出しbのほうが優れていると考えられます。
画像の効果はCTRに表れやすい
優れた見出しと同じように、優れた画像はCTRに影響を与えやすい傾向があります。
広告を見る動機が定まっていないFacebook広告では、どれだけ広告に注目してもらえるかが重要になってきます。視覚的な要素が大きく影響するので、まず最初に画像で注意を引きつけて、広告のクリックにつなげていきます。(広告をクリックされなければ絶対にコンバージョンされませんので)
このマトリクスで見ると画像AのほうがCTRが高いので優れた画像と考えられます。
ちなみに、CTRが高い広告はFacebookからの評価も上がるため、CPCが下がる傾向があります。(Facebookは広告もコンテンツと捉えているので、コンテンツの優劣が広告単価に影響します)
CPCが下がれば必然的にCPAも下がることになります。CVRが高い画像と見出しの組み合わせでCPAが高いときは、CTRが高い画像に入れ替えてみてください。CPAが適正値に下がっていくことがあります。
もっと高度な検証を行う方法
これまで、ABテストでの4つの指標「CPC」「CTR」「CVR」「CPA」の基本的な見方をお伝えしてきました。
これだけでもFacebook広告の運用効果を高められますが、慣れてきたらもっと高度な検証にチャレンジしてみてください。
Facebookのレポーティング機能にはありませんが、これまで説明してきたマトリクスでそれぞれの列と行を合計して比較要素を加えるともっと細かい分析ができるようになります。
このようにして画像行と見出し列を合算し分析すると、各広告間の差だけでなく、合計値から見た優劣などもっと細かい分析ができるようになります。そうすると、もっと少ない予算でより効果的な画像や見出しが見つけられるようになります。
まとめ
いかがでしたか?
これまでFacebook広告の効果測定で、ABテストを検証して改善につなげる方法を説明していきました。
まとめると次のステップになります。
- Facebook広告の優劣は4つの指標で評価する
- ABテストの目標を明確にする
- ABテストの予算を明確にする
- 圧倒的なCPAの組み合わせを見つける
- テストを重ねCPAを改善する
Facebook広告は配信してからの運用が肝になってきます。手間を惜しまずにABテストを行い、必ず効果を検証してください。それがショートカットする競合との差になるはずです。
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