もしあなたが顧客との関係性ビジネスをしているのであれば、CPOとLTVはしっかり押さえておきましょう。
ほとんどの場合、CPOとLTVのバランスで集客戦略もビジネスの成長も決まります。
例えば、広告予算を考えるときに、大企業であれば全体の売上に対して広告費は何%という捉え方ができます。でも経営体力の弱い中小企業や個人事業がこれをやってしまうと非常に危険なことになります。
私たちはもっと確実に見込み客を獲得したいし、顧客になればもっと何度も買ってもらいたいですよね。さらには新しい顧客を紹介してもらったり、できるだけ顧客価値を大きくしたいですからね。そのためにはCPOとLTVという事実にもとづいた数字で意思決定していく必要があります。
CPOとLTV
「CPO」は Cost Per Order (コスト・パー・オーダー)の略で顧客獲得コストという意味です。これは新規客を獲得するのにどれだけコストがかかっているかを表す指標です。
で、この数字が低いほうが利益も大きくなります。
「LTV」は Life Time Value (ライフ・タイム・バリュー)の略で顧客生涯価値という意味です。これは一人の顧客があなたとの取引の全期間においてもたらす粗利益の平均額のことです。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングでは、このLTVがとても重要です。
というのも、LTVがわかればCPOにいくらかけられるかも明らかになるからです。
例えば、LTVが10万円であればCPOには10万円をかけてプラスマイナスがゼロ。CPOがそれ以下であれば、その差が利益です。つまりCPOにいくらかけて、利益をいくら残すといった戦略が立てられます。
なんとなく利益が出そうという感覚ではなく、いくら利益が出ると数字で証明できるのがCPOとLTVを知っておくべき理由です。
ですが、ここで注意しなければいけないのが顧客生涯価値の期間です。
顧客生涯価値の適正期間
顧客生涯価値を算出する上で適正期間というものがあります。生涯価値といっても、いつまでも追いかけるわけにもいきませんから。
どういうことかというと、例えば年間1万円の利益を上げてくれるお客さんがいたとします。仮に20年間、毎年1万円ずつ利益が出るとしてLTVは20万円です。
もしお客さんを一人獲得するのに10万円かかったとしても顧客生涯価値が20万円であれば、差し引き10万円の利益ということになります。
ですが、問題は顧客獲得コストの回収期間です。
この例えでは、顧客獲得コストの10万円を回収するのに10年間もかかるわけです。ということは回収するまでの10年間は赤字が続くのです。
そうです。これだとかなりキャッシュが苦しくなります。中小企業や個人事業であれば、たぶん、もたないですよね。
数字の上では利益が出るけどキャッシュが回らない。そう考えると、顧客獲得コストの回収期間と経営体力を考えてLTVを見ていく必要があります。
どれくらいで回収期間を設定するかは、あなたのビジネスしだいです。キャッシュフローが良好なビジネスであれば長めに、そうでなければ短めに設定したほうがいいと思います。
例えば、健全なビジネスであれば少なくとも6か月、できれば1年間くらいで考えれば集客がしやすくなります。
なぜなら集客にはコストがかかるし、コストをかけたほうが顧客も集まるからです。なので期間は長めのほうが有利です。
LTVの考えがないと、とにかくコストは減らしたいと考えてしまうのですが、じつはまったく逆になります。
なぜ顧客獲得コストを減らしてはいけないのか
基本的に、集客にいくらかけるかは売上や利益から逆算して計画を立てるのですが、ダイレクト・レスポンスではLTVの中からCPOを算出することになります。
そのLTVを6か月で考えた場合と1年で考えた場合では利益が2倍違います。つまり、1年で考えたほうがCPOに2倍のコストをかけられるのです。
仮にあなたが売っている商品の粗利益が1万円だとして、顧客獲得コストが5000円だとします。これを単純に考えると、一つ売って「5000円の利益が出た」となります。
ここでLTVという考えがなければ、この商品が売れたかどうかで「利益が出た」「利益が出なかった」と結論づけてしまいます。その次に考えるのは、「もっと利益を出すためには顧客獲得コストをどうやって減らそうか」でしょう。
でもLTVは顧客価値で捉えます。
ベースとなる利益は、
購入単価 × 購入回数 × 購入顧客数
なので、母数となる顧客をどれだけ増やせるか。つまり、どれだけ顧客獲得にコストをかけられるかが重要になってくるのです。
広告予算と広告効果は指数関数的に表れる
基本的に、広告の効果はお金をかければかけるほど顕著に表れます。かけた分だけ指数関数的に伸びていきます。つまり多くの広告予算をかけるほど多くの顧客を獲得できるのです。
例えば、新聞や雑誌などで競合の2倍の広告予算を使って、競合の2倍のスペースに広告を出すことを考えるとわかりやすいと思います。または同じサイズの広告を競合の2倍の期間、または2倍の回数、露出させることを想像してください。
どちらの広告が見込み客に対して存在感を示せるか。あなたのビジネスの勢いを感じさせるか。商品の魅力をより多く伝えられるか。
スペースが2倍であれば伝えられる情報量も2倍なので競合よりも多くのことを伝えられます。掲載期間や掲載回数が2倍であれば、どちらが見込み客の目に留まりやすいか。言うまでもないですよね。
行列が行列を作るように、勢いのあるビジネスは自然と人を集めます。
競合の見込み客まで囲い込めることを考えると、広告予算が2倍でも獲得できる顧客数は単純に2倍ではありません。場合によっては10倍、20倍も差がつくこともあり得るのです。
繰り返しになりますが、広告予算と広告効果は指数関数的に表れます。
だから6か月でLTVを設定して5000円の広告費がかけられるビジネスと、1年間でLTVを設定するので10000万円まで広告費をかけようというビジネスでは、かなりの差がつくことになるのです。
これが顧客獲得コストを減らしてはいけない理由です。
まとめ
あなたのビジネスが顧客との関係性を最重要に考え、多くの顧客を獲得したいのであればCPOとLTVから見た集客設計は欠かせません。
もし今まで具体的な指標を使っていないのであれば、ぜひCPOとLTVを出してみてください。
感覚ではなく数字で判断していけば大胆に攻められますし、かなりの変化が表れると思いますよ。
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いつも思うのは、 「インターネットを使えばもっと簡単にできるのに」ということ。
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