手紙が1,000人、または1万人、たとえ10万人に送られようが、一度に一人に宛てて書くことだ

by ドレイトン・バード

 

あなたの商品やサービスはだれに向けたものですか?

もし、商品やサービスには自信があるのに「全然お客様が来ないよ」とか、「あまり売れないんだよね」なんて悩んでいるのであれば、もう一度ペルソナを見直して下さい。

ペルソナは特定の一人だけです。中途半端な設定ではターゲットに響きません。

 

そもそも、ペルソナって何?

ペルソナとは「特定の一人の人間」を指したマーケティング用語です。

マーケティング活動の中で、「売り手にとって、もっとも重要で象徴的なユーザーモデル」の意味で使われ、ターゲットを特定の一人にまで絞り込んで人格化することで効果を発揮します。

また、両者の違いはターゲットが見込み客層を指すのに対して、ペルソナは特定の一人の人間を指すことです。

だから、ペルソナは特定の一人の人間として、年齢、性別、居住地、職業、年収、趣味、家族構成、性格、価値観などの基本的なプロフィールを設定するほか、いつも読んでいる新聞は何か?  定期購読している雑誌はあるか?  最近抱えている悩みは何か?  どんなことに腹を立てて、どんなことがうれしかったか?  など、まるで実在する人物のように思考パターンや感情まで細かく描きます。

 

なぜペルソナを設定するの?

「これは自分に関係のある話だ!」と見込み客に気付かせ、こちらに振り向いてもらうのがペルソナを設定する目的です。

なぜなら、お客様が来ない理由のひとつが、「この商品やサービスは自分に関係ない」と考えていることだからです。

たとえば、「この靴は履き心地がいいよ」と、みんなに宣伝するよりも、靴を買おうと思っている人に宣伝したほうが、「へぇー、本当に?」と反応してもらえますよね?

さらに、靴を買おうと思っている65歳の男性に「これは65歳の男性のための、履き心地のいい靴です」と宣伝すれば、「これはオレにぴったりの靴かな?」と、もっと反応してもらえます。

こんなふうに宣伝する相手を特定の一人にまで絞っていき、ほかの人が買わなくてもその人だけは確実に買う、そんな濃いセールスメッセージで販売につなげるのがペルソナを設定する目的です。

 

ペルソナを設定すると売上が減ってしまう?

でもペルソナって、一人に絞るんでしょ。ペルソナ以外のお客様が買わなければ売上も減ってしまうんじゃないの?

ひょっとして、あなたはそう思いましたか?

大丈夫です。心配はいりません。

確かにペルソナは特定の一人にまで絞ったマーケティング活動です。そのほうが濃いメッセージを作って成約率が上がるので。

でも、実際の販売現場ではペルソナだけでなく、ペルソナに近い人も巻き込み、売上が増える効果が検証されています。薄いメッセージでだれにも気付かれないよりも濃いメッセージで少数でも確実に気付いてもらえたほうが結果として売上に貢献します。

そもそも、万人向けの商品やサービスなんて存在しません。

たとえば、65歳の男性が必要とする商品を25歳の女性が「私も無いと困る」ということはほとんどありません。なぜなら、65歳の男性と25歳の女性では食べる物も着る服も仕事や家族構成まで、考え方やライフスタイルがまったく違うからです。

両方に売り込もうとして誰に必要とされる商品やサービスなのか分からないほうが危険です。薄いメッセージを発信するよりも、65歳の男性向けの商品なら65歳の男性に絞って濃いメッセージを発信したほうが確実に狙ったお客様を引き寄せます。

 

ペルソナって、具体的にはどう設定するの?

ペルソナの設定には、基本的なプロフィールだけでなく思考パターンや感情まで細かく描いたほうが濃いメッセージが作れます。

「履き心地のいい靴」を売り込むのに、このようなペルソナだったらどうでしょうか?

  • 65歳
  • 男性
  • 千葉県千葉市在住
  • 食品メーカーの嘱託社員(43年間務めた職場を定年退職し、現在は嘱託社員)
  • 年収240万
  • 趣味は山歩き(月に1回、奥さんと一緒に)
  • 奥さんと娘の三人暮らし
  • 穏やかでめったに怒らない
  • 何事も体が資本、と健康に人一倍気を配っている
  • 「新ハイキング」を定期購読している(日本で唯一のハイキング専門誌)

このペルソナは山歩きが趣味で健康志向であることが分かります。

それならば、

「山歩きに最適なシューズをお探しの65歳のあなたへ。このシューズは足首をしっかりと固定してくれるので不整地を長時間履いてもフィット感がほとんど変わりません。そのため足への負担も少なく疲れづらいと評判です」

これならペルソナの気を引けると思いませんか?

さらには、

「あなたもご存知のように、健康寿命を延ばすには無理なく歩き続けることが医学的にも証明されていますが、このシューズは山歩きの楽しさをサポートしながら健康な体作りにも貢献する、最適な一足です!」

といったメッセージを加えてはどうでしょうか?

そして、定期購読している「新ハイキング」を広告媒体にすればペルソナの目に留まりやすく、反応する可能性が高くなりそうですよね。

 

マーケティング活動の目的はペルソナの人生を豊かにすること

マーケティング活動の目的はペルソナの人生を豊かにすることです。

「履き心地のいい靴」は、単に履き心地だけを求めて買われるのではなく、趣味の山歩きで奥さんとともに健康で楽しく暮らしていきたいという価値が求められています。これらはすべて人生の豊かさを表していますよね。

ということは、「履き心地のいい靴」を買ってもらうことでお客様の人生を豊かにするお手伝いをしているといえます。

これは大袈裟な表現ではなく、ビジネスの本質とはお客様の人生を豊かにする商品やサービスを提案して対価を得る、ということです。

あなたが本を買うのは、文字が印刷された紙の束が欲しいからではないですよね?

本から得る知識を仕事に使って収入を上げたいとか、知ることで人生を豊かにするのが目的ですよね。

あなたがCDを買うのだって、ピカピカ光る薄い円盤が欲しいからではないはずです。

人生を豊かにする商品やサービスにお客様は共感し、その提供者を応援してくれます。

あなたが買う立場なら、自分の利益だけを考えて購入を勧めてくる人とあなたの利益を考えて購入を勧めてくる人、どちらを応援したいと思いますか?

だから、商品やサービスを販売するときに、あなたはお客様の利益を考えて下さい。

それも人生を豊かにするような、お客様から感謝されるほどの販売活動はかならず多くのお客様の支持を得ることができます。

そして販売活動の準備にあたるペルソナ設定では、ペルソナの人生を豊かにすることを考えて下さい。ペルソナの人生を豊かにできれば、お客様の人生も豊かになるからです。

 

まとめ

もしあなたが商品には自信があるのに「全然お客様が来ない」とか、「あまり売れないんだよね」なんて悩んでいるのであれば、もう一度ペルソナを見直して下さい。

ペルソナは感情のある一人の人間にまで絞り込むのが決まりです。もし、できていないのなら見直すことで状況はだいぶ改善されます。

さあ、私たちの目標はペルソナを通してお客様の人生を豊かにすることです。

 

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