From:葛西義弘
「ブログをマメに更新しているのにお客さんが増えないよ、、、」
そんなヘルプ要請が入ったので、新橋にある友人のラーメン屋に行ったときのこと。
新橋にある博多ラーメン屋の話
新橋は高い家賃に加えて飲食店の激戦区。この立地で客単価の低いラーメン店が生き残るのはかなり大変で、もっと来店数を増やして回転率を上げないとやっていけない。かといって、常に広告を出すというのは予算が許さない。
これじゃマズいと昨年からコンテンツSEO(ブログで情報発信)に取り組んできたのですが、、、本人も言っているように、どんなに忙しくても週に2回はブログ記事を書いてホームページにアップしているのになかなかアクセスが伸びないし、お客さんも増えない。
その原因を調べていくと衝撃の事実が判明します。(じつは調べるまでもなく、すぐにわかってしまったのですが)
なんと、、、
彼がコンテンツSEOを始めるときに渡したキーワード設計書がほとんど使われていなかったのです。
キーワード設計書とは、簡単に言うと対策する必要のある検索キーワードをまとめたレポートのこと。キーワードから検索ユーザーのニーズを掴んでおくと検索上位表示されやすいブログ記事が書けるようになる、つまり見込み客のアクセスが集めやすくなるのです。
彼が書いてきたブログ記事の多くは、彼のラーメンが美味しい理由、こだわりの食材や生産者のこと、一杯のラーメンにかける自分の信念や情熱など。それはとても大事なことですし、読むと本当に美味しそうです。彼のラーメン作りに対するひたむきな姿勢がビシビシ伝わってきます。
でも、これじゃ検索にヒットしないよ、、、
というわけです。その理由はキーワード。
そのキーワードは誰に刺さるのか?
例えば、あなたがラーメンを食べたいとします。
そのときにネットで情報を集めるとして、「ラーメン」とだけ入力することはありませんよね?
「新橋 ラーメン」とか「有楽町 ラーメン」という具合に、地域(どこで食べたいか)と、ラーメン(何を食べたいか)を組み合わせるはずです。
でも、それだけだと範囲が広すぎるので「新橋 家系 ラーメン」とか「有楽町 味噌ラーメン」というふうに具体的な味を入れるのではないでしょうか。
このときに食べたいジャンル名がわかっていないと調べようがありません。
もしあなたがオリジナルの味を開発して「ついにホットケーキの美味しさをラーメンで表現した!」としても、「ホットケーキ ラーメン」なんて入力する人はいませんよね。
どうしてかというと、その言葉や組み合わせが知られていないからです。
だから見込み客が知っている言葉をキーワードにしてブログ記事を書く必要があるのです。
見込み客の言葉をリサーチする方法
キーワードを選ぶのに実践的かつ効果的な方法はたった一つしかありません。それは需要のあるキーワードをリサーチすることです。
おススメは Google のキーワードプランナーを使ったリサーチです。キーワードのリサーチツールはいろいろありますが、お金をかけずに使えて精度が高いのは Google のキーワードプランナーです。
ネット検索の肝である検索エンジンにおいて、世界で90%以上の圧倒的なシェアを占めているのは Google の検索エンジンです。どんなキーワードで検索されたのか、世の中のほとんどの需給データは Google が持っています。(だから Google アドワーズというオンライン広告のビジネスモデルが Google のドル箱なのです)
「でも、日本では Yahoo! 検索のほうが有名だよね」
そんな声も聞こえそうですが、Yahoo!の検索エンジンの国内シェアはおよそ3割。それに、Yahoo! の検索エンジンは Google の検索エンジンを流用したもの、つまり Google 寄りです。
Webトラフィック分析サイトの StatCounter によると、2018年7月の日本における検索エンジンシェアでは、Googleが72%、Yahoo!が22.68% です。つまり、日本での Google 製の検索エンジンのシェアは94.68%になります。
参照:StatCounte (http://gs.statcounter.com/)
だからGoogle のキーワードプランナーでリサーチするのがもっとも蓄積データの質量が充実していると考えられます。
でも、複数のキーワードを組み合わせていくと何百、何千ものパターンが出てきます。一つのブログ記事を書くのに2時間かけるとして500ものパターンがあれば1000時間必要です。実際にはもっと時間がかかるでしょうし、忙しい仕事の合間ですべてのキーワードを対策するなんて、気の遠くなるような話ですよね。
これらの対策を効率よく進めるにはキーワードの優先順位を決める必要があります。
キーワードの優先順位を決めるには?
キーワードプランナーでリサーチした多くのキーワードに優先順位をつけるシンプルな方法があります。これはとても簡単で効果抜群のやり方です。
それは実際に来店したお客さんの話している言葉を聞くことです。
例えば、博多ラーメンの場合、ネット検索から来店するお客さんで「新橋 博多ラーメン」と入力する人がどれだけいるのでしょうか?
プロからすれば正式名称は博多ラーメンであっても、ネット検索する人、それも新橋近辺で調べている人であれば「とんこつラーメン」が実際の検索で多く使われる言葉かもしれません。こだわりがあって「長浜ラーメン」と店主が使う言葉でも、お客さんには「とんこつラーメン」で括られてしまうかもしれません。お客さんにしてみれば正式名称かどうかなんて関係ありません。
だからすべてはお客さんの使う言葉に合わせる必要があるのです。
実際に来店されたお客さん同士の会話や、あなたとお客さんの会話の中で出てくる言葉から本当のキーワードを見つけて、あなたの店と関連付ける必要があるのです。
そうすると、多くのキーワードの中でも優先して使うべきキーワードや組み合わせが見えてきます。
店の名前にしてもそうです。
例えば、「博多ラーメン満腹亭」と「博多とんこつラーメン満腹亭」で比べた場合、どちらが検索されやすいでしょうか?
「博多」だけよりも「博多」と「とんこつ」それぞれのキーワードを効かせたほうが検索にヒットしやすくなるはずです。
勝手に屋号は変えられないとしても「とんこつ自慢の、博多ラーメン満腹亭」というふうに枕詞にして対策できます。
このように、ちょっとしたキーワードへの気配りで大きく成果が違ってくるのです。
ネット社会との向き合い方(まとめ)
私たちは、これからもっともっとネット社会に突き進んでいきます。
今や地球上にあるウェブサイトは10憶以上、ウェブページ数は130兆。お客さんに見つけてもらう努力をしないと、どんなにカッコいいホームページもネット空間に埋没してしまいます。
そこで大事なのがもっとお客さんの会話に耳を傾けること。もっとお客さんと真剣に会話をすること。リアルなお客さんとの会話の中に、お客さんのニーズも、それを解決するためのキーワードも隠れています。
- お客さんが何に喜び、何を欲しがっているのか?
- お客さんが何に悩み、どうすればその痛みを取り除けるのか?
- お客さんのニーズに対して、自分にできることは何か?
「あなたが何をしたいかではなく、お客さんは何をしてほしいか」をお客さんとの会話の中から拾い出して、それをブログ記事などのコンテンツのカタチにまとめておく。どんなコンテンツなのか、お客さんの使う言葉をキーワードとして示しておく。
これがコンテンツSEOのあるべき姿です。
くれぐれもキーワードとお客さんのピントがズレないように気をつけていきましょう。
——葛西義弘
追伸)
友人にはもう一つ、アドバイスをしました。
それは見込み客のキーワードは日本語だけではないということ。
土地柄、観光客の取り込みも重要課題です。英語、中国語、韓国語 etc、、、海外からの旅行者の不満の一つに(自分たちの理解できる言葉での)情報不足が挙げられます。まだまだ競合の多くは対策不足のようなので、どんなに大変でもしっかりやっておきましょう。
タネを蒔かなければ芽が出ないのと同じで、伝えなければ伝わりません。
【無料レポート】「インターネット集客の教科書」
そんな怒りにも似た気持ちで、私はこのレポートを書きました。
いつも思うのは、 「インターネットを使えばもっと簡単にできるのに」ということ。
事実、見込み客だけでなく取引先や従業員まで、あなたのビジネスに関係 するすべての人をもっと簡単に集めることができます。それもあまりお金 をかけずに、です。
インターネットを使えば資金力のある大企業とだって戦えます。
というよりも、インターネットを使わないと勝負になりません。 潤沢な資金のある大企業があなたのテリトリーに攻め込んできら、まず 太刀打ちできないでしょう。