インターナルマーケティングとは社内に向けたマーケティング活動のこと。
マーケティングと聞くと販売するための外向けの活動をイメージしがちですが、それだけではありません。ビジネス全体がマーケティングであり、内向けの活動も立派なマーケティングです。
むしろ、「人手不足」倒産が急増している今ほど、私たちが真剣に取り組むべきマーケティング活動ではないでしょうか?
どんなにITで合理化が進んでも、結局のところ、ビジネスの要(かなめ)は人ですよね。ビジネスを支える人材の採用と維持なくして企業や組織は存続できません。
つまり、こういうことです。
社員満足と顧客満足(ディズニー)
社員と良好な関係を築かないかぎり、顧客と良好な関係を築くことはできない
これはウォルト・ディズニー(Walt Disney)の言葉です。
もし接客するキャストが不愛想だったり、ホスピタリティに欠けていれば来場者の満足度は下がるでしょう。来場者の90%はリピーターで、みんなが満足体験を求めて来るのですからね。
だから、ディズニーにホスピタリティは欠かせない。それにはまず、企業と社員とが良好な関係を築く必要があると言っています。
社員がディズニーで働くことに価値を見出し、満足しなければ、顧客に向けてモチベーション高く、ホスピタリティを提供できませんからね。
確かに、ディズニーリゾートでは清掃員一人にしても落ち葉でミッキーをデザインしたり、踊ったりしてゲストを喜ばせようとしています。ディズニーの世界観を隅から隅まで表現することに一生懸命です。
ディズニーで働くことの価値はディズニーの世界観の共有であり、顧客だけでなく、企業も働き手も同じ世界観を持っています。
社員満足と顧客満足(ザ・ボディショップ)
社員は私にとって最も重要な顧客である
これはザ・ボディショップの創業者であるアニタ・ロディック(Anita Roddick)の言葉です。
企業がどんなにすばらしい商品やサービスを持っていたとしても、実際にお客様へ提供しているのは一人ひとりの社員。
もし接客する社員が不愛想だったり、販売担当者に商品知識が不足していれば、お客様は簡単に離れていきます。お客様にとって、今ほど選択肢の多い時代はないですからね。
だから、まずは社員を教育し、親切で専門知識を備えた、信頼できる人材に育てる。そうすれば社員の対応に満足した顧客が商品を買ってくれ、ほかのサービスを利用したり、リピートにもつながっていく。
ここまでは顧客のニーズを理解して顧客に満足してもらうということですが、ザ・ボディショップの場合、出発点に社員を強調しています。
社員を顧客とみなすことで、社員のニーズを理解して社員に満足してもらおうとしています。これは社員がどう感じているかが、最終的には顧客満足を左右するという考え方にもとづいています。
この社員満足と顧客満足の繰り返しがザ・ボディショップの業績拡大への道筋となる。だから企業は顧客の体験と社員の体験を重ねていくべき、つまり社員を顧客として扱うべきだというのです。
社員満足と採用満足
インターナルマーケティングでの、社員を顧客同様に大切に扱うという動きは採用活動から始まっています。
「近代マーケティングの父」と称されるフィリップ・コトラーはこんなことを言っています。
賃金を安く抑えようとする企業は、社員からの見返りをほとんど期待できない。
はした金しか支払わなければ、残るのはろくでもない人間だけになる。
退職者の後釜探しにも相当なコストがかかる。
才能とやる気に満ちた人材を見つけ、社員として確保することは、事業成功の鍵を握る重要課題なのだ。
人件費を抑えようとは誰もが考えがちですよね。
そして、警告はこう続きます。
賢明な企業は、金の出し惜しみをしない。
平均以上の賃金を支払うことで、並みの人材よりもはるかに高い成果をもたらす人材を確保するためだ。
こうした企業は離職率が低く、採用や教育に要するコストも少なくてすむ。
確かにそうですよね。
待遇のよい企業には大勢の人が集まってくるので、結果として採用コストは割安になります。それに、能力の高い人材を採用できれば育てる時間の短縮につながったり、研修コストも抑えられますからね。
顧客満足と採用満足
今も昔も、実際にすばらしい顧客体験をした人がその企業で働きたいと問い合わせることは多くあります。
代表的なところでは前述のディズニーリゾート。顧客満足を受ける側から顧客満足を提供する側への転身ですね。そのほかにも好きなアパレルブランドへ入社したり、もっと身近なところでは美味しいラーメン屋に弟子入りしたり。
そう考えると手っ取り早い採用満足は顧客満足の先にあると言えますよね。顧客満足を通して、そのビジネスの価値観などを肌感覚で理解しているのでモチベーションも高いし、早期戦力化が見込めます。
だから顧客満足度を上げて、そのうえでもっとインターナルを意識した発信を増やすと効果的な採用活動につながります。
まとめ
企業を生かすも殺すも社員しだい。
今ほど、この言葉が重要な意味を持つ時代はありません。
ますます社員は私たちのビジネスそのものになっていきます。
だからインターナルマーケティング。ぜひ意識的に取り組んでいきましょう。
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