どうすればコンバージョンを改善できるのか?
それには「自社サイトへのアクセスはどこから来るのか」をしっかりと把握する必要があります。
なぜならアクセスの質によってコンバージョンまでに必要な情報も違うからです。
言い方を換えると、サイトを訪れる前段階の情報によって、ユーザーの行動も変わってくるからです。ユーザーのアクセスする背景に合わせて、どれだけ適切な情報を提供できるか、これが重要になってきます。
たとえば、リスティング広告から来る人は「広告の内容に関心があり、購入意欲が高い」と考えられ、ソーシャルメディアの投稿から来る人は「投稿内容に興味を持った、商品認知の段階」の可能性が高いと言えます。検索から来る人は「その検索キーワードに基づいた情報」を探している人です。
なのでコンバージョンの改善には自社サイトへの流入経路を確認する必要があり、その状況から改善インパクトの大きさを優先順位としてコンテンツの見直しなどに取り組むのが鉄則です。
というわけで、この記事ではGoogleアナリティクスのアクセス解析で自社サイトへの流入経路を確認して、CV改善の優先順位を判断する方法を説明します。
目次
集客レポートでアクセスの全体像を把握する
アクセスの全体像を把握するには「集客レポート」を開きます。
集客レポートとは、Googleアナリティクス画面に表示される、計測データを表したレポートの総称です。「すべてのトラフィック」や「Search Console」など、他の項目をクリックして表示されるデータも、角度を変えた集客レポートになります。
たとえば、左のメニューの「集客→概要」をクリックすると「集客サマリー」という集客レポートが表示されます。
この集客レポートでは「チャネル」ごとのユーザー行動(セッション数、直帰数、コンバージョン数)が確認できます。
チャネルとは、Googleアナリティクス上での集客種別の区分です。この区分を理解していないとレポートを正しく読めず、誤った判断を下してしまいます。デフォルトでチャネルは9種です。次の表を参考に、しっかりと覚えるようにしましょう。
チャネル名 | 日本語名称 | 概要 | |
1 | Organic Search | オーガニック検索 | 自然検索からの流入 |
2 | Paid Search | 有料検索 | リスティング広告からの流入 |
3 | Referral | 参照元サイト | 他サイトからの流入 |
4 | Display | ディスプレイ | ディスプレイ広告からの流入 |
5 | Direct | ノーリファラー | ブックマーク経由などの直接流入 |
6 | Social | ソーシャル | ソーシャルメディアからの流入 |
7 | メール | メール経由での流入 | |
8 | Affiliates | アフィリエイト | アフィリエイトからの流入 |
9 | Other Advertising | 他の広告 | 上記以外の広告からの流入 |
参照:Googleアナリティクス ヘルプ「デフォルトチャネルの定義」
集客レポートでCV改善の優先順位を判断する
「概要」から集客サマリーを確認する
「集客サマリー」を開くと左上に円グラフが表示されます。
デフォルトでは「上位のチャネル」となっていて、チャネルごとの流入割合をすばやく確認することができます。
たとえばこのレポートでは
- Organic Search(自然検索からの流入)が61.1%
- Direct(ノーリファラーからの流入)が14.3%
- Paid Search(有料検索からの流入)が8.4%
ということがわかります。
次にレポート下の表と棒グラフを見ていきます。
この表は「集客」「行動」「コンバージョン」の3部構成で、左から右へセッションの行動を追いかける流れです。
「集客」・・・流入元ごとに流入割合と流入数、新規セッション率と新規ユーザー数を表示
「行動」・・・流入元ごとにセッション(訪問)のページ平均閲覧数、滞在時間、直帰率(1ページだけ見て帰ってしまった割合)を表示
「コンバージョン」・・・流入元ごとのセッションの、そのサイトでのコンバージョン(目的達成)の度合いを表示
*コンバージョンを計測するには、Googleアナリティクス上でサイトの目的設定(コンバージョン設定)が必要です。
「集客 → すべてのトラフィック → チャネル」を確認する
続いて「チャネル」レポートを見てみましょう。
左のメニューで「集客 → すべてのトラフィック → チャネル 」をクリックします。
まずは「集客 → セッション」から見ていきます。(左から順番に見ていきます)
このサイトでは「Organic Search(自然検索)」からの流入が一番多く、セッションの6割強を占めています。流入量が多いというのは、サイト内のコンバージョン率を改善したときに、一番インパクトの大きい流入元ということです。
次にの列を見てみましょう。
チャネルごとの割合で見ると「Direct」が64.07%で一番高く、次に「Display」の63.89%、そして「Organic Search」の59.15%です。
でも「新規ユーザー」の列で見ると、
新規ユーザー全体を100%として見た場合、「Organic Search」が63.02%で圧倒的に多く、その反対に新規ユーザーの一番少ない、つまりリピーターが多いチャネルは「Email」の0.41%で約76%がサイトに再訪していることがわかります。(新規セッション率24.12%を全体の100%から引くと75.88%なので約76%。「Other」はCV改善の要因としては数値が著しく低いので無視します)
新規ユーザーや新規セッションが多く流入するチャネルは、新規ユーザーを増やしたい場合に施策を打つ有力な候補です。その一方で、リピーターが多いチャネルはコンバージョンを高めたい場合の候補になります。これはビジネスタイプや自社サイトが何をコンバージョンさせたいかで見方が変わってくるので注意しましょう。
「直帰が少なく、滞在時間の長い」チャネルを見つける
次に、「行動 → 直帰率」の列を見てみます。
直帰率が一番低い流入元は「Paid Search」の29.07%、二番目は「Email」の36.06%です。
ですが、ページ/セッション(平均ページ閲覧数)で見ると、「Paid Search」は4.87で直帰率に同じく一番なのに、「Email」は3.86%で「Referral」の4.12%のほうが数値が高くなります。「率」で見ると「Email」と「Referral」は優劣つけがたいものの、セッション数で見ると「Referral」のほうが約4.5倍も多いので改善で着目すべきは「Paid Search」に次いで「Referral」と言えます。
実際にコンバージョンの数値が高い流入元を見つける
次は実際にこのサイトでコンバージョンの数値が高い流入元を見つけていきます。
「コンバージョン → eコマースのコンバージョン率」を見ると、「Paid Search」が1.53%で二番手の約3倍です。コンバージョンを増やしたいときに最も効率の良い流入元が「Paid Search」ということになります。
ただし、気をつけたいのはコンバージョン率が一番高いのと売上金額が一番多いのは必ずしもイコールにならないということです。
一番右の列で見ると売上金額に占める「Paid Search」の割合が21.99%なのに対し、「Organic Search」は57.35%で、売上金額は「Paid Search」の約2.6倍もあります。そもそもセッション数が違いますから。
さあこれで自社サイトにおけるCV改善で取り組むべき流入元が見えてきたのではないでしょうか。
まとめ
ここまで自社サイトへの流入経路を確認して、CV改善の優先順位を判断する方法を説明してきました。
コンバージョンを増やすには「コンバージョン率」と「セッション数」の改善が必要ですが、それには「自社サイトへのアクセスはどこから来たのか?」を表す、流入元をよく確認するようにしましょう。
これを基本に、プライマリディメンションで「参照元」や「メディア」を使って流入経路をもっと掘り下げたり、「前月までと比べて大きく変化している数値はないか?」といった視点から「期間比較」を加えることで、もっと深くコンバージョンの改善に取り組めるようになります。
さらには自社で投入できるリソースなども加味すれば、より具体的に施策を検討していけるのではないでしょうか。
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